私は第一子をドイツで産みました。出産前に何人もの助産師さんと面談し、バースセンターを選び、痛み止めを使わずに産みました。終わったときに残ったのは、「お産って、こんなふうにもなれるんだ」という感覚でした。支えられて、強烈で、そして美しかった。

第二子は台湾の自宅で産みました。そのとき初めて、台湾では「お産のあいだ、自分のためだけにそばにいてくれる人」という存在を、知らない方がとても多いことに気づきました。言葉も医療の仕組みも違う中で産む方にとっては、なおさらです。

やわらかな光の中で、両手でおなかを包んでいる妊婦さん。
撮影:ast25rulos/Pixabay

まず、ドゥーラとは何をする人か

ドゥーラは、妊娠中・お産の当日・産後の時期に、心と身体と情報の面から、途切れずに寄り添う訓練を受けた付き添い人です。

  • 医療者ではありません。内診も、胎児心拍の判読も、赤ちゃんを取り上げることも、医療上の判断もしません。それは医師・助産師の仕事です。
  • 夫の代わりではありません。ドゥーラがいることで、夫も「何をすればいいの?」という焦りを一人で抱えずにすみます。
  • 自然分娩だけのものではありません。病院でのお産、無痛分娩、帝王切開でも、ドゥーラはお役に立てます。

研究が示していること

お産のあいだの継続的な付き添いについて、現在もっとも信頼できるのは、2017 年に更新された Cochrane の系統的レビュー(Bohren ら)です。26 のランダム化試験、15,858 人、17 か国のデータをまとめています。通常のケアと比べて、ずっと付き添いがあった女性は:

25%減帝王切開になるリスク(RR 0.75)
8%増自然な経腟分娩の割合
10%減何らかの鎮痛薬の使用
約 40 分分娩時間が短縮
31%減お産を否定的に振り返る割合

付き添いによる害は見つかっていません。さらにサブグループ解析では、付き添う人が病院スタッフや家族ではなく、訓練を受けたドゥーラだった場合に効果がもっとも大きく、帝王切開のリスクは約 39%低くなっていました。

もうひとつ、よく引用される数字がアメリカの研究です。公的医療保険(Medicaid)で出産した女性のうち、ドゥーラが付き添ったグループは帝王切開率がはっきり低くなっていました。ランダム化試験ではなく観察研究ですが、Cochrane と同じ方向を示しています。

帝王切開率:ドゥーラあり vs 全国

アメリカの Medicaid 出産、ドゥーラ付き添いあり n=1,079

データ:Kozhimannil ほか(2013)Am J Public Health,PMID 23409910

だからこそ WHO は 2018 年の分娩ケアの指針で、すべての女性が、陣痛から出産まで、自分で選んだ付き添い人と一緒にいられることを推奨しています。夫、家族、友人、そしてドゥーラも、その「付き添い人」に含まれます。

正直にお伝えしたいこと

「ドゥーラがいると産後うつになりにくい」と書かれていることがあります。たしかに前向きな兆しは見えていますが、観察研究や数十人規模の小さな試験が中心で、大規模なランダム化試験はまだありません。「まだわからない」ことは、そのままお伝えしたいと思います。

ドゥーラが実際にしている四つのこと

2019 年の Cochrane の質的レビュー(51 の研究、女性と付き添い人自身の言葉)では、付き添いの支えを四つに分けています:

情報

いまお産がどこまで進んでいるか、スタッフが何と言ったのか、薬を使わない痛みの逃し方。

代弁

スタッフと戦うことではなく、痛みで言葉が出ないとき、事前に決めていた希望を伝える手助け。

身体のケア

歩く、姿勢を変える、腰を押す、温める、手を握る。水分や食事の声かけも。

心のケア

ずっとそばにいること。その感覚は自然なもので、あなたはちゃんとできている、と伝えること。

台湾で産む日本人にとって、なおさら大切な理由

同じ 2019 年のレビューでは、自分の国ではない場所で出産する女性は、その土地の文化を理解している付き添い人から恩恵を受ける可能性があることも示されています。台湾で産む日本人のご家族にとって、ここがいちばん大きな違いになります。

  • 分娩室で、中国語がわかる人がそばにいる。台湾の分娩室は中国語が基本です。私は中国語・英語・日本語で活動しているので、いま何が話されているかをお伝えし、ご質問を然るべき人に届けるお手伝いができます。(重要な医療判断や同意については、病院側からも説明を受けてください。私は付き添い人であり、医療通訳の資格者ではありません。)
  • 台湾の病院の「当たり前」を知っている。台湾の帝王切開率は約 36〜38%(日本は約 2 割)、2023 年の調査では病院での会陰切開が約 7 割でした。多くは病院の標準手順(SOP)です。違う希望があるなら、早めに、文書で、事前に医師と合意しておくことが大切で、その準備をご一緒します。
  • 文化の違いを翻訳する。台湾では健診で次回の予約日だけを伝えられることが多く、産後は「坐月子(ズオユエズ)」という一か月の養生や月子センター(産後ケア施設)が一般的です。何が普通で、何が相談できて、何を聞けばいいのかをお伝えします。
  • 夫が、翻訳アプリではなく、あなたに集中できる。

ドゥーラが分娩室に入れるかどうかは、中央の統一規定がなく、病院ごとの判断です。病院選びの段階で確認してください。台湾での出産の仕組み全体は、台湾で出産する — 日本人のための調査ガイドにまとめています。

正直に言えば、全員に必要なわけではありません

海外の掲示板では、実際の家族の声は賛否両方あります。

  • 頼んでよかった方は、ドゥーラが医療チームとの橋渡しになった、夫が妻だけに集中できた、と話しています。「今なら倍払ってもいい」という声も。
  • そこまで必要なかった方は、無痛分娩で、看護師さんにも恵まれ、夫も落ち着いていたケースが多く、「主に夫の休憩になった」「費用が高い」と感じたようです。産後のサポートに予算を回したほうがよかった、という方もいます。

ほぼ全員が同意しているのは、人による、そして相性によるということ。何人かと話してみて、一緒にいてほっとできる人を選んでください。それが私でなくても、まったくかまいません。

ソファに座り、眠る新生児を抱いてうつむく母親。やわらかな光。
撮影:Sarah Chai/Pexels

私がいちばん伝えたいこと

数字は土台です。でも、私が寄り添っているのは数字ではなく、あなたです。

何年か経って、何時間かかったかは忘れても、あの日誰かがちゃんと自分を見ていてくれたか——不安も、力強さも——は、きっと覚えています。家族から遠く離れた場所でのお産なら、なおさらです。

よくあるご質問

夫が立ち会う予定です。それでもドゥーラは必要ですか?

両立します。ドゥーラや助産師がそばにいると、夫の立ち会い体験もより前向きになりやすいことがわかっています。いま何が起きているか、何をすれば助けになるかがわかり、少し休むこともできるからです。ドゥーラは夫の代わりではなく、夫も支える存在です。

無痛分娩や帝王切開の予定でも、意味はありますか?

あります。無痛分娩でも姿勢の工夫やお産の説明は必要ですし、予定帝王切開でも、準備と、終わったあとに気持ちを整理する時間に寄り添う人がいると心強いものです。

台湾の病院で、通訳もお願いできますか?

中国語・英語・日本語で、お産のあいだ「わかる・伝わる」ためのお手伝いをします。ただし医療通訳の資格者ではないため、重要な判断や同意については病院側からも説明を受けてください。

費用はどのくらいですか?

私の伴走プランは NT$21,000〜(約 10 万円〜)です。両親学級やお産当日の付き添いを加えると内容に応じて変わるため、まずお話を伺ってから正式なお見積もりをお送りしています。プランについて →

主な出典

  • Bohren MA ほか(2017)Continuous support for women during childbirth. Cochrane Database Syst Rev, CD003766(Cochrane Library|PMID 28681500)
  • Bohren MA ほか(2019)Perceptions and experiences of labour companionship. Cochrane, CD012449(要約)
  • 世界保健機関 WHO(2018)Intrapartum care for a positive childbirth experience(WHO)
  • Dekker R ほか Evidence on: Doulas, Evidence Based Birth, 2024 年 4 月更新(リンク)——ドゥーラのサブグループの数値はこちらの整理より
  • 台湾の帝王切開率:衛生福利部統計処(リンク)/会陰切開:台湾生育改革行動連盟 2023 年調査(リンク)
  • 家族の声:Hellobee、The Bump、Berkeley Parents Network などの英語掲示板(例)

本記事は情報提供を目的としたもので、医療上の助言ではありません。医師・助産師との直接のご相談に代わるものではありません。

著者について — Milliya(ミリヤ)は、ドゥーラ(出産付き添い)、独立出産コンサルタント、EmbodyBirth™ 認定講師、女性のための統合コーチです。中国語・英語・日本語で活動しています。二度のやさしいお産を経験し(第一子はドイツ・ブレーメン、第二子は台湾の自宅)、台北(北投)と日本(神奈川県逗子)、そしてオンラインで活動しています。活動について →
2026 年 10 月 21 日 公開

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